武蔵野市学童協ニュース

武蔵野市学童クラブの皆さん、コメントへの投稿おまちしてまーす。

「ぶじかえる」ってご存知ですか?三小子どもクラブが終わった後、地域の人が7時10分まで子どもたちをコミセンで見守ってくれる活動です。じつは、これを支えている方々って、皆さんと同じ 共働きのお父さん・お母さん方なんです。

ただでさえ大変なのに、なぜそこまでやってくれるの!?

そこには、素敵な秘密がありました。



「ぶじかえる」は多数のボランティアに支えられていますが、今回は代表して、黒木さんと、海東さんのお二人からお話を伺いました。今日もいつものように「ぶじかえる」の子ども達を見送った後にインタビューに応じていただきました。

KY)お忙しい中ありがとうございます。さて、「ぶじかえる」はどんな活動なのでしょうか?

校門までお迎え
黒木)「ぶじかえる」は、学童クラブが終わる時間に校門までお迎えに行き、コミセンまで引率して館内のプレイルームで7時10分まで遊びながらすごすというものです。
20091226insotsu.jpg

月~金曜日まで毎日。夏休みや冬休みはもちろん、学校が代休の日も、学童が開いている日は活動しています。予定外の残業や電車が遅れた!なんていう時にも、「ぶじかえる」があるから安心と思ってもらえるよう、特に予約などはとっていないんですよ。

ある日、二人の男性が
KY)私自身も「ぶじかえる」を知ったのは今年の6月で、「そんなすばらしい活動があるなんて、すごい」と思っていました。しかも、忙しいお母さん方がやっていると知り、二度ビックリでした。「ぶじかえる」が始まったきっかけは?

・大きなランドセルを背負って暗い道を帰る子ども
黒木)実は、熱い思いがあって立ち上げた!というものではないんです。あれは今から4年前のことですが、秋になると6時すぎはもう真っ暗ですよね。当時はうちの子が1年生で、毎日慌てて仕事を切り上げ迎えに行っていました。時には間に合わず、人通りの少ない道を子どもが一人で歩いて帰宅することもありました。それがある日、2人の男の方が安全棒を持って子ども達に付き添ってくれるようになったのです。それは、雨の日も雪の日も続きました。南町福祉の会の方だったのですが、暗い道を大きなランドセルを背負って帰る子ども達を見かねて、自発的に見送りを始めてくださったそうです。

・ボランティアの葛藤
黒木)冬のあいだ付き添いは休まず続けられました。後から知ったのですが、その間、ボランティアの方にはいろいろな葛藤があったそうです。私はほぼ毎日顔を合わせていましたが、一人で鍵を開けて家に入る子どもの親とはずっと会えないわけです。「頼まれもしないことをして自立を妨げているのではないか?」と考えてしまったり、周囲からは「子どもが鍵を開ける所に立ち会って、何か誤解されたらどうするの?」と反対されたり……。このまま続けて良いものかと悩まれたそうです。それで半年たった春に、「父母が交代でコミセンで見守れないか?」という、お話を受けたんです。私としても、毎日一杯いっぱいでしたから「できない」と思いました。でも、ここで「できない」と言ったら、その方々の善意を無にしてしまうと思ったんです。

安全と責任
黒木)「ぶじかえる」を始める前に、学童クラブの父母会に「どうしましょう?」と、アンケートをとりました。安全への心配と、あれば利用したいという大体2つに分かれました。安全は一番大切ですが責任問題を突き詰めていくと何もできません。「預かり」ではなく、コミセンで子どもが親を待つ間、大人が付き添うだけという考え方で、利用したい家庭が自己責任で利用するかたちで始めることにしました。コミセンは小学生だけでは5時(夏季は5時半)までしかいられないのです。コミセンのご理解と協力もいただき、プレイルームをお借りすることもできました。後に南町福祉の会の支援でボランティア保険にも入りました。

「助かったわー」「いいのよー」が一番いい
KY)毎日のシフトはどのようにしているのですか?

黒木)利用する父母でシフトを組んだら続かないと思いました。もともと忙しいわけですから。そこで、南町コミセンの子どもニュース「トゥモロー」で募集をかけたら、お一人だけ来てくださいました。私たちの母くらいの年代のTさんです。Tさんがいなかったら「ぶじかえる」は続いていなかったと思います。だいたい週2日はTさん、残り2日は黒木、あと1日は美容師のママやCAのママ、看護師のママ、公務員のパパなどが、お休みやフレックスタイムを利用して入ってくれています。他にも、定期的にはできないけれど、「今日は休みがとれたから」とか「早く帰れたから」と皆さん声をかけてくれて助かります。それから、校門からコミセンへの引率を週に2度サポートしてくれる、私達の父世代のMさんやピンチヒッターとして入ってくださる南町福祉の会のYさん……地域の方の存在は大きいです。
今日、来られなった看護師のママからはこんなメッセージが……。
「病院に勤めているため、仕事柄、時間で終われないことも少なくありません。そんな時、急なお迎えを代わりに引き受けてくださるぶじかえるのおかげで仕事と子育てを両立することができています。なので、わたしもできるときに微力ながらお手伝いをできることが何よりも嬉しいのです」

KY)海東さんが、「ぶじかえる」に関わったきっかけは?

海東)下の子が南保育園にいた頃、「ぶじかえる」の説明があったんですが※、それを聞いて「上の子のときにはなんとか乗り切っていたけれど、これなら安心して学童に通える」「手伝える時は手伝わなきゃ」って、思ったんです。1年になってさっそく何度か利用させていただき、2年になった時、勤務形態も変わって余裕もできたのでお手伝いできるようになりました。

※南保育園の皆さんには、毎年、「ぶじかえる」の説明会を行っているそうです。

黒木)本当に、海東さんにはグッドタイミングで助けてもらっています。今ではお子さんも利用していないのに、見守る側に回ってくださって。皆さん、はじめは「お手伝いできないのに利用していいの?」って思われるようですが、忙しいときは頼りっぱなしでいいと思うんです。日本だとよく助けてもらっている方が「心苦しい」とか「ちょっと面倒」とかになりがちですよね。

海東)父母の皆さんは、見えない所で子育てに大変な思いをされているのですから。

黒木)そうそう、「ぶじかえる」の他にも、学童やPTAでもいろんな役割があるんですし、ぶじかえるでは「助かったわー」「いいのよー」でいい。お返しをするとしたら、それは子どもの手が離れてからでも、ぶじかえる以外の場所でもいいと思うんです。

地域で子どもを見守る
KY)大人が助け合うと、子どもも「大事にされている」って感じますよね?

海東)子どもがいなければ、こんな素敵な人のつながりも無かったでしょうし。人と関われば面倒な事もあるけど、豊かな気持ちにさせていただくことの方が多い。卒所しても親同士の関係が続くのもありがたいですね。

黒木)子どもたちが大人になったとき、そういえば親たちは互いに助け合っていたなとなんとなく思い出してくれたら、そう悪い世の中にはならないんじゃないかと。

実は、子どもがボランティア
KY)とはいえ、大変な事もあるんじゃないですか?

黒木)どうしても自分が担当に入れないときは、メーリングリストで「SOS」を出します。すると、必ず誰かが応えてくれるんです。皆さん、何とか都合をつけてくださってありがたいですね。Tさんも「いつでも代わりますからね」って、言ってくださるし。だから、時間のやりくりはあっても、気持ちの負担は無いんですよ。

海東)子どもと接するのは安全面でも緊張するし大変なんですけど、それ以上のものを子どもからもらっているんですよね。いつもやんちゃな子が、素直に「ごめんね」なんて言えたりしたときは、「あぁ、成長したなー」って嬉しくなります。
家では家事などやることがたくさんあって、我が子とはゆっくり遊ぶ心の余裕をなくしてしまうのですが、ぶじかえるの時間は子どもだけを見てますよね。だから、子どもの小さな心の動きにも気づくんです。そこで、はっとして自分の子を見直したりします。

20091226asobi.jpg

黒木)子ども達にとっても、親でも先生でもない、私達のような「斜めの関係」の大人がいてもいいと思うんです。ポロッと愚痴がでたりするのを聞くと、気を許してくれているのかな?と嬉しいですね。我が子の愚痴には、ついつい「そうねぇ、でも・・・」と余計なことまで言っちゃうんですけど。

海東)私達ボランティアも、子ども達にはいろいろ癒されて、教えられて……、実は子ども達が、私達のボランティアかもしれませんね。

親も大変だけど、子どもも大変
KY)学童で7時まで預かれば良いとか、7時まで預かると、8時までやって欲しいとなったり。本当に子どものためになっているのかと言われたり。また、働く身としては、7時までに帰れる職場はなかなか無かったりしますよね。

・7時を過ぎると荒れてくる
海東)難しいです。ただ、親も大変だけど、子どもも大変なんだと思います。特に1年生はとても疲れるんですね。保育園と違ってお昼寝も無いし、授業で緊張感もあります。子どもは、学校がやっと終わって学童に帰って、ちょっとホッとして、それからまた「ぶじかえる」でしょ。以前は7時30分まで見守っていたんですが、7時を過ぎて残っている子はだんだん疲れも出てきて機嫌が悪くなりますね。そんな様子を見ていると、今の7時10分ぐらいが限界かなって思います。

・「ぶじかえる」は子どもの居場所、いろんな居場所があって良い
黒木)もし学童が7時までだったら親は助かりますよね。私も7時まで預けて仕事していたかも。でも、そうじゃなかったので、小学校に上がったとき、働き方を少しだけ子どもの時間帯に合わせることにしたんです。でも、みんながみんな、すぐに働き方は変えられないですよね。「ぶじかえる」の1時間10分が、子どもには寂しくない時間、親には安心して帰路につく時間になればと思います。

海東)2,3年生になると、「ぶじかえる」を卒業して、お留守番ができるようになる子もいます。でも、一人で帰れるようになった子も、怖い夢を見てから、「ぶじかえる」に戻ってきたこともありました。

黒木)子ども達って、親が思う以上に家の中が怖いみたいです。「何かがいる」みたいな?想像力があるんでしょうね。鍵を開ける時、電気やテレビをつけるまでが勇気がいるようです。

海東)そんな子どもの気持ちに寄り添って、「ぶじかえる」が子どもにとってクッションのような支えになって、ちゃんとお留守番ができるまでの居場所になれたらいいですね。

お願い、おせっかいさせてー!
KY)では、最後に学童の父母の方にメッセージをお願いします。

黒木)今、見守る側の私は、自分が困っていたことで誰かの役に立ててすごく幸せだと思っています。だから、困っているときにお世話になることを「悪いな」と負担に思わないで欲しいんです。甘いものを食べたら「幸せ~っ」って思いますか?「太るよね~?」って後悔しますか?食べちゃったら、そのときは「幸せ~っ」でいいじゃないですか。

海東)何でも一人で抱え込まないでくださいね。砂糖や醤油をお隣から気軽に借りられない時代ですけど、SOS出すと、周りにはきっと手助けしてくれる人がいます!

黒木)インディアンは、村全部で知恵を集めて子育てをするそうです。なんかそんな、きっかけになればいいですね。「ちょっとお願い」ができる様になると、ほんと楽ですよね。お願い、おせっかいさせてー!(笑)



「子育ては夫婦二人だけでは賄いきれない、地域が担うべき大事業。」と言った人がいました。ぶじかえるは、昔はあたり前だった地域ぐるみの子育てが消えつつある現在に、地域の助け合いを新しい形で作り上げてしまったようです。

お二人にインタビューさせていただいて、なんだか心が温かくなってしまいました。「自分がしてもらいたい事を他人にするって、聖書の黄金律ですよね?」と問いかけたら「え?そうなんですか?」ですって。自然にそこへたどり着いてしまうあたり、なんだか現代の奇跡に出会ったような気にもなりました。

「ぶじかえる」は第550回 小さな親切実行章 を受章し、むさしのFMで紹介されました。



20091226letter.jpg
三小ぶじかえるでは、年末恒例ボランティアの方へのお礼の会を開きました。いつも笑顔で迎えてくれるコミセンの皆さんにメッセージカードを手渡す子どもたち
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
Pass:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック URL
http://musashinogakudo.blog45.fc2.com/tb.php/147-644ee75b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック